概念とワークフロー¶
このページでは、pdb2reaction の主要な概念——ポケット、テンプレート、セグメント、イメージ(image)——と、all コマンドが各サブコマンドをどのように連携させるかを説明します。
ワークフローの全体像¶
多くのケースでは次の流れになります。
全系入力 (PDB/XYZ/GJF)
│
├─ (任意) ポケット抽出 [extract] ← --center/-c を使う場合は PDB が必要
│ ↓
│ ポケット/クラスターモデル (PDB)
│ │
│ ├─ (任意) 段階的スキャン [scan] ← 単一構造ワークフロー
│ │ ↓
│ │ 順序付けられた中間体
│ │ ↓
│ └─ MEP 探索 [path-search] または [path-opt]
│ ↓
│ MEP 経路 (mep.trj) + エネルギーダイアグラム
│ ↓
└─ (任意) TS 最適化 + IRC [tsopt] → [irc]
└─ (任意) 熱化学 [freq]
└─ (任意) DFT 一点計算 [dft]
各ステージはサブコマンドとして単独実行できます。また pdb2reaction all を使うと、複数ステージをまとめて実行できます。
Important
遷移状態: HEI や tsopt の出力は TS 候補 として扱い、freq(虚数モードが1本)と irc(両端が意図した極小へ落ちる)で検証してから解釈してください。
重要な概念¶
全系とポケット(クラスターモデル)¶
全系: 元の入力構造(酵素ならタンパク質–基質複合体など)。
ポケット / クラスターモデル: 基質周辺を切り出した小系。MEP/TS 探索を軽量化します。
ポケット抽出は主に以下で制御します。
-c/--center: 基質の指定(残基ID、残基名、または基質のみのPDB)-r/--radius,--radius-het2het,--include-H2O,--exclude-backbone,--add-linkH,--selected-resn
イメージ(image)とセグメント¶
イメージ(image): 経路上の 1 つの構造(1 ノード)。
セグメント: 隣接する 2 つの端点を結ぶ MEP 区間。多構造入力はセグメントに分解されます(例: R → I1, I1 → I2, …)。
テンプレートとファイル変換(--convert-files)¶
pdb2reaction は軌跡(例: mep.trj, irc.trj)を出力します。
PDB テンプレートや Gaussian 入力がある場合、対応する付随ファイルも出力できます。
PDB テンプレートがあるとき →
.pdb付随ファイルGaussian テンプレートがあるとき →
.gjf付随ファイル
この挙動は --convert-files {True|False}(デフォルト: True)で制御します。
代表的な3つの使い方¶
1) 複数構造の MEP 探索(R → … → P)¶
すでに反応座標に沿った 2つ以上 の構造がある場合。
例:
pdb2reaction -i R.pdb P.pdb -c 'SAM,GPP' --ligand-charge 'SAM:1,GPP:-3'
2) 単一構造の段階的スキャン → MEP¶
入力が 1つ しかないが、スキャンにより端点系列を生成できる場合。
例:
pdb2reaction -i holo.pdb -c '308,309' \
--scan-lists '[("TYR,285,CA","MMT,309,C10",2.20)]'
3) TSOPT のみ(ポケット TS 最適化)¶
TS 候補がすでにある、あるいは1構造で TS 最適化だけ試したい場合。
例:
pdb2reaction -i ts_guess.pdb -c 'SAM,GPP' --tsopt True
all と個別サブコマンドの使い分け¶
pdb2reaction all を推奨するケース¶
extract → MEP → TSOPT/IRC → freq/DFT まで まとめて 実行したい
出力ディレクトリやログ管理を1コマンドに寄せたい
個別サブコマンドを推奨するケース¶
あるステージだけを 切り出してデバッグ したい(例:
extractのみ)独自の端点生成など、ワークフローを 組み替えたい
CLI の注意点¶
Important
ブール値オプションは
True/Falseを明示して渡します(例:--tsopt True)。複数 PDB を与える場合、各ファイルは 同じ原子が同じ順序 で並んでいることが重要です(座標だけが異なる)。
酵素の反応機構解析では、水素を含んだ入力 PDB を用意することを強く推奨します。
次に読むページ¶
入門¶
はじめに — インストールと初回実行
トラブルシューティング — よくあるエラーと対処法
主要サブコマンド¶
サブコマンド |
用途 |
ドキュメント |
|---|---|---|
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エンドツーエンドワークフロー |
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ポケット抽出 |
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再帰的 MEP 探索 |
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TS 最適化 |
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振動解析 |
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|
DFT 一点計算 |
リファレンス¶
YAML リファレンス — 全オプションの YAML 設定
用語集 — 用語リファレンス