all¶
pdb2reaction all は一連の処理を まとめて実行する最上位コマンド です。-c を指定した場合だけ活性部位モデル(バインディングポケット)を抽出し、省略時は入力構造全体を使います。入力に応じて段階的スキャンまたは MEP 探索(デフォルトは単一パス path-opt、--refine-path で再帰的 path-search)を行い、必要に応じて TS 最適化・IRC・振動解析・DFT 一点計算まで連結します。MLIP バックエンドはデフォルトで UMA を使用しますが、-b/--backend で ORB・MACE・AIMNet2 も選択できます。
all は与える入力に応じて次の 3 つのモードのいずれかで動作します。
複数構造 MEP — 反応順に並べた 2 構造以上(PDB/mmCIF/GJF/XYZ)を与える場合。
-cがあれば活性部位モデルを抽出し、省略時は入力全体を使って GSM/DMF MEP 探索を行います。単一構造 + スキャン定義 — 1 つの構造に
-s/--scan-listsを与える場合。1 リテラルが 1 ステージを定義し、同一リテラル内の複数タプルは協奏的に駆動します。複数リテラルは多段階scanとして順次実行し、その端点をMEPの入力列として用います。TSOPT のみ — 1 つの入力構造に
--scan-listsを省略して--tsoptを指定し、MEP/マージをスキップして TS 最適化 + IRC(必要に応じて freq / DFT)だけ実行する場合。高エネルギー側の IRC 端点を反応物として提示します。
Note
TSOPT のみモードの反応物/生成物ラベルはエネルギー順に基づく表示上の慣例であり、化学的に確定した反応方向ではありません。高エネルギー側の IRC 端点を反応物として提示します(エネルギーが厳密に等しい場合は左側の端点を反応物とする決定的な規則)。R/P ラベル、reactant_irc/product_irc のファイル名、障壁・ΔE はこの慣例のもとで計算されます。機械可読サマリーの endpoint_assignment(policy = "higher_energy_endpoint_as_reactant"、chemical_direction_known = false)にこの方針が明示されるので、ラベルだけから化学的方向を読み取らず、このフィールドを参照してください。中立的な端点名への変更は将来のメジャースキーマに委ねます。
Important
--tsopt なしの all ワークフローは TS 候補(MEP 探索の最高エネルギー画像 / HEI)を出力します。--tsopt を追加すると最適化と終端 exact PHVA を実行し、数値的な optimizer 収束と鞍点次数を別々に記録します。all が IRC へ進むのは、数値最適化が収束し、終端 PHVA が完了し、負の反応方向を選べる場合です。n_imag > 1 の収束済み高次停留点は警告付きの診断的 IRCへ進むことがありますが、一次鞍点として認定されません。実際のoptimizer非収束、虚振動0本、PHVA失敗/未実施、または有効な負rootを選べない場合は、TS構造・振動数・modeを保持したままIRC前で停止します。機構解釈の前に虚振動modeとIRC端点接続を必ず確認してください。
実行例¶
examples/ ディレクトリに GPP C6-メチル基転移酵素 BezA(Tsutsumi et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2022, 61, e202111217)の完全な all ワークフロースクリプト(MEP およびスキャンパイプライン)があります。
コマンド形式:
pdb2reaction all -i INPUT1 [INPUT2 ...] [-c SUBSTRATE] [-b/--backend uma|orb|mace|aimnet2] [options]
TS 最適化・IRC・熱化学・DFT まで一括実行する複数構造 MEP:
# TS 最適化・IRC・熱化学・DFT まで一括実行する複数構造 MEP
pdb2reaction all -i 1.R.pdb 3.P.pdb -c "SAM,GPP,MG" -l "SAM:1,GPP:-3" \
--tsopt --thermo --dft --out-dir ./result_mep
単一構造 + 段階的スキャン(2 ステージ):
# 単一構造 + 段階的スキャン(2 ステージ)
pdb2reaction all -i 1.R.pdb -c "SAM,GPP,MG" -l "SAM:1,GPP:-3" \
-s '[("CS1 SAM 320","GPP 321 C7",1.60)]' '[("GPP 321 H11","GLU 186 OE2",0.90)]' \
--tsopt --thermo --out-dir ./result_scan
TSOPT のみワークフロー(経路探索なし):
# TSOPT のみワークフロー(経路探索なし)
pdb2reaction all -i TS_candidate.pdb -c 'SAM,GPP,MG' \
-l 'SAM:1,GPP:-3' --tsopt --thermo --dft
テンプレートがある場合の XYZ/TRJ → PDB/CIF/GJF 変換(付随ファイルの生成)は、全ステージ共通の --convert-files/--no-convert-files(デフォルト: True)で制御できます。mmCIF/oversized-PDB入力では、内部連携用PDBに加えて元IDを復元したCIFを生成します。
ヘルプ出力は pdb2reaction all --help で主要オプションを、pdb2reaction all --help-advanced で全オプションを確認できます。
処理の流れ¶
全系入力 (PDB/mmCIF/XYZ/GJF)
│
├─ (任意) 活性部位モデル抽出 extract ← --center/-c は PDB/mmCIF
│ ↓
│ 活性部位モデル/クラスターモデル (PDB)
│ │
│ ├─ (任意) 段階的スキャン scan ← 単一構造ワークフロー
│ │ ↓
│ │ 順序付けられた中間体
│ │ ↓
│ └─ MEP 探索 path-opt または path-search
│ ↓
│ MEP 経路 (mep_trj.xyz) + エネルギーダイアグラム
│ ↓
└─ (任意) TS 最適化 + IRC tsopt → irc
└─ (任意) 熱化学 freq
└─ (任意) DFT 一点計算 dft
all は次のステージを順に実行します。名前の付いた計算ステージはサブコマンドとして単独でも実行できますが、静的全系テンプレートへの確認用座標マージなど all 内部だけの処理もあります。
構造ブリッジと事前チェック(自動)
mmCIF、PDB固定幅を超える構造、altLocを含むPDBは、安全に再採番した内部PDBへ一度だけ正規化します。altLocは全geometry workflow共通の入力ブリッジが残基単位で一貫して選択するため、通常は事前の
fix-altlocは不要です。通常PDBの元素欄(列77–78)が空の場合だけallがadd-elem-infoを実行します。別途cleaned PDBが必要な場合に限りstandalonefix-altlocを使用してください。
活性部位モデル抽出(
-c/--centerが指定された場合)
基質は PDB/mmCIF パス、残基ID/名、
A:SAM、またはA:SAM:123で指定可能抽出オプション:
--radius、--radius-het2het、--include-h2o、--exclude-backbone、--add-linkh、--selected-resn、--verbose入力ごとの内部PDBは
_work/models/に保存し、mmCIF/oversized-PDB入力では元IDを復元したCIFも生成最初の活性部位モデルの総電荷がスキャン/MEP/TSOPT に伝播
オプションの段階的スキャン(単一入力のみ)
各
--scan-lists引数は MLIP スキャンステージを記述する(i,j,target_Å)タプルの Python ライクなリスト。原子インデックスは元の入力順序を参照し、デフォルトでは 1 始まりです(--no-scan-one-basedを指定すると 0 始まりとして読みます)。いずれの場合も活性部位モデル順序に自動変換されます。3-field selector(例:'TYR,285,CA')はtoken順を問いません。残基名や番号が重複するときは、位置固定のCHAIN:RESNAME:RESSEQ[ICODE]:ATOM(例:A:SAM:320:C1)でchainを明示します。単一リテラルは 1 ステージスキャンを実行し、複数リテラルは順次実行されるため、ステージ 2 はステージ 1 の結果から開始されます。複数リテラルは 1 つの
-s/--scan-listsに並べて指定します(例:-s '[(…)]' '[(…)]')。ステージエンドポイント(
stage_XX/result.pdb)が、後続 MEP ステップへ渡される順序付き中間体となる
活性部位モデルでの MEP 探索(デフォルトで単一パス
path-opt、--refine-pathで再帰的path-search)
デフォルトでは、単一パス
path-opt(GSM/DMF)を実行します。エンジン生出力は<out-dir>/_work/path_opt/に書かれ、連結済み成果物(mep.pdb、mep_trj.xyz、energy_diagram_MEP.png)はルート直下へ配置します。--refine-pathを指定すると、再帰的path-searchに切り替わり、結合変化に基づく多段階反応の候補セグメントを構築します。この分割だけで素反応が確定するわけではなく、TS/虚振動/IRC の検証が必要です。粗い MEP から得た HEI で TSOPT が失敗する場合の精密化に有効です。一方、悪い/ノイズの多い path を不要な複数 segment へ分割して計算時間を大幅に増やすことがあるため、意図せぬ cost 増大を避けてデフォルト OFF です(エンジン生出力は<out-dir>/_work/path_search/)。PDB/mmCIF入力で
-c/--center --refine-path --write-ref-mergeを指定すると、元の入力構造を確認用座標compositeのテンプレートとして使います。
確認用の全系座標compositeを生成(オプション)
PDB/mmCIF入力で
-c/--center --refine-path --write-ref-mergeを指定すると、確認用のmep_w_ref.pdbを生成します。
オプションのセグメントごとの後処理(反応セグメントのみ — 結合変化のあるセグメント。ブリッジセグメントはスキップ)
--tsopt: 各 HEI 活性部位モデルで TS 最適化を実行し、optimization_statusとsaddle_validationを別々に記録します。数値非収束、虚振動0本、終端PHVAの失敗/未実施、または負rootを選べない場合は、TS構造とresult fieldを登録した後にIRC前で停止します。frequency/modeは終端PHVA成功時だけ記録します。数値収束済み高次停留点は保持され、警告付きの診断的IRCへ進むことがありますが、一次TS認定ではありません。Hessian TS optimizerにはMEP energy-upwinding Cartesian接線候補をCPU/file cache経由で渡し、反応rootのidentityを追跡します(energyを読めない旧trajectoryでは正規化secantを使用)。Dimerは--ref-modeを消費しないためhandoff/cacheは適用外です。--no-tsopt-from-mep-tanではcacheを作成・利用せず、初期構造Hessianの振動modeからrootを選びます。続行可能な結果はEulerPC IRCで追跡し、IRC端点を--thresh-post(デフォルトbaker)で再最適化します。エンドポイント最適化の作業ディレクトリは--dump時に保持し、それ以外は完了後に削除します。エンドポイントRFOの上り坂拒否はデフォルトで無効で、--reject-uphillにより端点再最適化についてのみ有効化できます。--thermo: (R, TS, P) でfreqを呼び出し、振動/熱化学データと MLIP Gibbs ダイアグラムを取得--dft: (R, TS, P) で DFT 一点計算を実行し、DFT ダイアグラムを構築。--thermoと組み合わせると DFT//MLIP Gibbs ダイアグラムも生成共有の上書きオプション:
--opt-mode、--opt-mode-post(TSOPT/IRC 後最適化のプリセット上書き)、--flatten/--no-flatten、--hessian-calc-mode、--tsopt-max-cycles、--tsopt-out-dir、--freq-*、--dft-*、--dft-engine(GPU 優先)など。Cartesian PHVA の剛体モードは、凍結anchorを尊重する constrained 処理に固定されています。Hessian 評価モードの詳細は Hessian 評価モード を参照してください。
TSOPT のみモード(単一入力、
--tsopt、--scan-listsなし)
MEP/マージステージをスキップし、活性部位モデル(または抽出がスキップされた場合は全入力構造)で
tsopt→ EulerPC IRC を実行し、高エネルギー側の IRC 終端を反応物 (R) として識別したうえで、エネルギーダイアグラム一式とオプションの freq/DFT 出力を生成します。
出力¶
ツリーは 3 つのゾーンで構成されます: ルート直下の成果物、segments/seg_NN/ 配下のセグメント別成果物、_work/ 配下のパイプライン作業領域(必要な結果を取り出したあとは rm -rf で削除して構いません)。
out_dir/ (デフォルト:./result_all/)
├─ summary.log # 結果要約(ルート直下に生成)
├─ summary.json # JSON 結果
├─ mep.pdb # 連結済み MEP 経路(エンジンから配置)
├─ mep.cif # mmCIF/oversized-PDB入力時。元IDを復元
├─ mep_w_ref.pdb # 確認用の全系座標composite(--write-ref-merge)
├─ mep_w_ref.cif # 確認用bridge-template companion(--write-ref-merge)
├─ mep_trj.xyz # MEP 全体軌道
├─ energy_diagram_MEP.png # 全セグメントの MEP 障壁
├─ energy_diagram_*.png # 集約後処理ダイアグラム(MLIP / Gibbs / DFT、--tsopt 等で生成)
├─ segments/ # 反応セグメント別の成果物(ブリッジセグメントはスキップ)
│ └─ seg_NN/ # 2 桁インデックス、例: seg_01, seg_02
│ ├─ reactant.{pdb,cif,xyz,gjf} # 正規R/TS/P。bridge入力はPDB+CIF
│ ├─ ts.{pdb,cif,xyz,gjf}
│ ├─ product.{pdb,cif,xyz,gjf}
│ ├─ ts/ # TS 最適化出力と振動解析(--tsopt)
│ ├─ irc/ # IRC 軌道とプロット(--tsopt)
│ ├─ freq/{R,TS,P}/ # frequencies_cm-1.txt + thermoanalysis.yaml(--thermo)
│ └─ dft/ # DFT 一点計算結果(--dft)
└─ _work/ # パイプライン作業領域(削除可)
├─ models/ # 抽出実行時の活性部位モデル PDB(model_<input_stem>.pdb)
├─ scan/ # 段階的スキャン結果(--scan-lists 提供時)
├─ add_elem_info/ # 前処理: 元素記号補完
└─ path_opt/ # MEP エンジン生出力(--refine-path 時は path_search/)
TSOPT のみモード(単一入力 + --tsopt、--scan-lists なし)では MEP ステージが無く、最適化済み R/TS/P と ts/・irc/・freq/・dft/ は segments/seg_01/ 直下に生成され、MEP 作業ディレクトリ(_work/path_opt/)は存在しません。
Note
正規構造は segments/seg_NN/reactant.*・ts.*・product.* です — 機構を報告する際はこれらを引用してください。同じ seg_NN/ 内の ts/・irc/・freq/・dft/ サブディレクトリは各ステージの作業ファイル(例: ts/vib/imag_*_trj.xyz、irc/*_trj.xyz)を保持し、特定ステージのデバッグに使います。_work/path_opt/ 配下の MEP エンジン生出力は作業領域であり、必要な成果物(mep.pdb、bridge入力時のmep.cif、mep_trj.xyz、energy_diagram_MEP.png)は既にルートへ配置済みです。
-v 2 では活性部位モデルの電荷解決結果、スキャンステージ、MEP
(GSM/DMF)の進行状況、各ステージの所要時間が出力されます。resolved
configurationは-v 3で表示します。詳細は ログ詳細度 (verbosity) を参照してください。
プロットファイルの命名規則¶
エネルギーダイアグラムファイルは手法とスコープに基づいて命名されます:
ファイル名 |
生成タイミング |
内容 |
|---|---|---|
|
path-opt/path-search 完了時 |
全セグメント MEP 障壁(生の GSM/DMF 値) |
|
セグメントごとの tsopt+IRC 完了時 |
R→TS→P(MLIP エネルギー) |
|
セグメントごとの thermo 完了時 |
R→TS→P(MLIP ギブズ自由エネルギー) |
|
セグメントごとの DFT 完了時 |
R→TS→P(DFT エネルギー) |
|
セグメントごとの DFT+thermo 完了時 |
R→TS→P(DFT エネルギー + MLIP 熱補正) |
|
全セグメント集約時 |
全セグメント統合(MLIP) |
|
全セグメント + thermo |
全セグメント統合(MLIP ギブズ) |
|
全セグメント + DFT |
全セグメント統合(DFT) |
|
全セグメント + DFT + thermo |
全セグメント統合(DFT//MLIP ギブズ) |
|
セグメント IRC 完了 |
セグメントごとの IRC プロファイル(MLIP エネルギー) |
|
全セグメント集約 |
全セグメントの IRC プロファイル連結 |
summary.log の読み方¶
ヘッダーでは all の入口を MEP、Scan、TS-only のいずれかで示し、
ルート出力ディレクトリを絶対パスで表示します。MEP / Scan では内部 path
module ディレクトリも絶対パスで表示し、TS-only では - とします。
path-opt / path-search などの内部 engine 名は machine-readable
metadata に保持し、ユーザー向け pipeline mode には使用しません。
ログは番号付きセクションで構成されます:
[1] グローバル MEP 概要 – イメージ/セグメント数、MEP 軌跡プロットのパス、MEP 全体のエネルギーダイアグラム。
[2] セグメント別 MEP サマリー(MLIP パス) – セグメントごとの障壁(
ΔE‡)、反応エネルギー(ΔE)、結合変化サマリー。[3] セグメント別後処理(TSOPT / Thermo / DFT) – TS 虚振動数チェック、IRC 出力、MLIP/熱化学/DFT のエネルギーテーブル。
[4] エネルギーダイアグラム(概要) – MEP/MLIP/Gibbs/DFT 系の図表と、任意の横断サマリー表。
[5] 出力ディレクトリ構造 – 生成ファイルを注釈付きでまとめたツリー。
summary.json の読み方¶
JSON 結果の代表的なトップレベルキーは以下のとおりです。
out_dir,n_images,n_segments– 実行メタデータと総数。segments–index,tag,kind,barrier_kcal,delta_kcal,bond_changesを含むセグメント配列。energy_diagrams(任意) –labels,energies_kcal,energies_au,ylabel,imageなどを含む図表データ。
summary.json には summary.log にある整形テーブルやファイルツリーは含まれません。
CLI オプション¶
入力の要件:
抽出有効(
-c/--center): PDB/mmCIF を使用可能。抽出なし: PDB/mmCIF/XYZ/GJF を使用可能。
複数構造実行は 2 つ以上の構造が必要。完全な入力ファイル要件(水素、元素列、原子順序の一致)は CLI 規約 を参照してください。
電荷の解決順序の詳細は CLI 規約: 電荷の指定 を参照してください。all コマンドでは、活性部位モデル抽出(-c 指定時)による電荷導出が追加の優先度レイヤーとして機能します。スピンの解決順序は --multiplicity(CLI)→ .gjf テンプレート → デフォルト(1)。非標準の基質には --ligand-charge/-l を必ず指定し、scan/MEP/TSOPT/DFT へ正しい総電荷を伝播させてください。
入出力オプション¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
反応順序の 2 つ以上の完全構造( |
必須 |
|
XYZ/GJF入力用の参照 PDB/mmCIF topology |
None |
|
トップレベル出力ディレクトリ |
|
|
XYZ/TRJ → 対応する PDB/CIF/GJF companion の全体切替 |
|
|
MEP(GSM/DMF)軌跡を出力。親で明示したトグルは |
|
|
先に適用するベース YAML |
None |
|
実行前に解決済み設定を表示 |
|
|
設定を検証して計画を表示。 |
|
電荷・スピンオプション¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
総電荷または残基別マッピング( |
None |
|
明示した総電荷を最優先。不一致時は警告して |
None |
|
全下流ステップへ転送されるスピン多重度 |
|
活性部位モデル抽出オプション¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
PDB/mmCIFパス、残基ID/名、 |
抽出に必須 |
|
活性部位モデル包含カットオフ(Å)。 |
|
|
ヘテロ–ヘテロカットオフ(Å)。 |
|
|
水分子を含める(HOH/WAT/TIP3/SOL) |
|
|
非基質アミノ酸の主鎖原子を除去 |
|
|
切断結合にキャップ水素を付加 |
|
|
|
|
|
アミノ酸として扱う残基名をカンマ区切りで指定。 |
|
|
活性部位モデル PDB でキャップ H の親を凍結 |
|
|
全ステージで凍結する1-based原子番号(カンマ区切り)。抽出時は元のfull input基準で指定し、活性部位モデルへ自動変換される。抽出しない場合は現在の入力構造基準。 |
None |
組み込みのアミノ酸名は、力場で正規化された Amber/CHARMM の命名を前提とします。
raw PDB CCD との名前衝突は自動判別しないため、--modified-residue NAME:charge
で意図する公称電荷を明示してください。
MEP 探索オプション¶
Note
all --max-cycles-gsm / --max-cycles-dmf は MEP 専用です。後処理は
--tsopt-max-cycles と YAML irc.max_cycles、単独コマンドは各自の
--max-cycles を使います。
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
MEP 探索アルゴリズム: GSM(Growing String Method)または DMF(Direct Max Flux) |
|
|
GSM/DMF segment ごとの可動内部イメージ数。両エンジンとも端点2つを保持するため、総イメージ数は |
|
|
完全成長後のGSMノード配置。 |
|
|
GSM string optimizer の最大サイクル数 |
|
|
DMF の最大 IPOPT 反復数 |
|
|
標準 GSM セグメントでクライミングイメージを有効化(ブリッジセグメントは常に無効) |
|
|
ワークフロープリセット( |
|
|
単一構造最適化と scan 緩和の収束プリセット( |
|
|
MEP 段の GSM ストリング最適化の収束プリセット( |
|
|
DMF MEP 段の IPOPT dual-infeasibility 許容値。 |
|
|
MEP 前に活性部位モデル端点を事前最適化。単体の |
|
|
再帰的 |
無効 |
|
確認用の |
無効 |
MLIP 計算機オプション¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
UMA 予測器の並列度。 |
|
|
共有 MLIP Hessian エンジン |
|
|
MLIP バックエンド |
|
後処理オプション¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
セグメントごとの TS 最適化+ IRC を実行 |
|
|
Hessian TS optimizerでCPU/file cacheしたHEI接線候補から反応root identityを追跡。OFFではcache作成・利用を止め、初期Hessian modeから選択。Dimerには適用外 |
|
|
R/TS/P で振動解析を実行( |
|
|
R/TS/P で DFT 一点計算を実行( |
|
|
TSOPT/IRC 後最適化のプリセット上書き( |
|
|
IRC 後エンドポイント最適化の収束プリセット( |
|
|
余分な虚振動モードのフラット化 |
|
|
IRC 後のエンドポイント再最適化のみで RFO の上り坂ステップ拒否を明示的に有効化(許容値 |
|
|
IRC のEulerPC最大step(Bohr)を上書き。数frameですぐ止まる場合は |
IRC デフォルト |
|
IRCのgradient・energy停止条件を無視し、各branchを最大cycleまで追跡。数値/integration失敗や外部中断では停止 |
|
Warning
--dft のcost/memoryはbasis-function数、元素、functional、grid、engine、
hardwareに依存し、atom countだけではcutoffを決められません。代表stateをpilot実行し、
peak memoryを測定してresourceを選択してください。
TSOPT の最適化モードは、--opt-mode-post(指定時)→ --opt-mode(明示指定時のみ)→ TSOPT のデフォルト(hess → rsprfo)の順で決まります。
例: --opt-mode grad --opt-mode-post hess は、経路最適化に L-BFGS、TS 精密化に RS-P-RFO を使用します。
TSOPT 上書き¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
|
|
|
tsopt 出力サブディレクトリ |
None |
Freq 上書き¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
freq 出力ディレクトリ上書き |
None |
|
最大モード出力数 |
|
|
モード軌跡の振幅(Å) |
|
|
モード軌跡のフレーム数 |
|
|
モードソート方法 |
|
|
熱化学温度(K) |
|
|
熱化学圧力(atm) |
|
DFT 上書き¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
DFT バックエンド: gpu (GPU4PySCF) または cpu (PySCF)。 |
|
|
DFT 出力ディレクトリ上書き |
None |
|
汎関数/基底関数ペア |
|
|
最大 SCF サイクル |
|
|
SCF 収束閾値 |
|
|
PySCF グリッドレベル |
|
スキャンオプション(単一入力)¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
段階的スキャン: |
None |
|
scan 出力ディレクトリ上書き |
None |
|
|
None(1 始まり) |
|
最大ステップサイズ(Å) |
|
|
調和バイアス強度(eV·Å⁻²) |
|
|
緩和サイクル上限 |
|
|
scan の事前最適化トグルを上書き |
None |
|
scan のステージ終端最適化トグルを上書き |
None |
YAML 設定¶
all は YAML の多層指定をサポートします:
--config FILE: ベース設定。
適用順序:
defaults < config < CLI
解決後の YAML は呼び出されるすべてのサブコマンドに転送されます。各ツールが読み取るセクションは以下のとおりです:
サブコマンド |
YAML セクション |
|---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
最小例:
calc:
model: uma-s-1p2 # uma-s-1p2 | uma-m-1p1
hessian_calc_mode: FiniteDifference # デフォルト。Analytical は対象環境で検証して選択
gs:
max_nodes: 12
climb: true
dft:
grid_level: 6
すべての YAML オプションの完全なリファレンスについては、YAML 設定リファレンス を参照してください。
注記¶
独立に準備した全系構造どうしでは、反応座標以外の構造差が得られる障壁に影響することがあります。構造を確認し、モデル化した系に対して選択した path workflow を検証してください。
症状起点で切り分ける場合は 典型エラー別レシピ を先に参照し、詳細は トラブルシューティング を確認してください。
形式電荷を推定できない場合は
--ligand-charge(数値または残基別マッピング)を必ず指定し、scan/MEP/TSOPT/DFT へ正しい総電荷を伝播させてください。--write-ref-merge指定時は、確認用のmep_w_ref*に使う静的テンプレートを最初の元入力から取得します。path-search --ref-full-pdbは内部で処理します。収束プリセット:
--threshのデフォルトはgau、--thresh-postのデフォルトはbaker、MEP 段は--thresh-gsm(デフォルトgau_loose)と--thresh-dmf(デフォルトtight)が担当。抽出半径:
-r 0(または--radius 0)では半径による拡張を無効化し、-cと--selected-resnで選んだ残基からモデルを構築します。構造上必要なジスルフィド結合partnerや隣接主鎖contextが安全策として追加される場合があります。空の幾何検索を避けるため、zero radiusは内部で0.001 Åにクランプされます。エネルギーダイアグラムは反応物(最初の状態)基準の kcal/mol で表示されます。
-c/--centerを省略すると抽出をスキップし、全構造をそのまま MEP/tsopt/freq/DFT に渡します。ただし単一構造実行では--scan-listsか--tsoptが必要です。
関連項目¶
インストール — セットアップと依存関係
はじめに — 初回実行、ワークフロー概要、主要概念
extract — 単独の活性部位モデル抽出(
allが内部で呼び出し)scan — 単独の段階的距離スキャン
path-opt — 単一パス MEP 最適化(GSM/DMF)
path-search — 再帰的 MEP 探索(
allが内部で呼び出し)tsopt — 単独の TS 最適化
irc — 単独の IRC 計算
freq — 単独の振動解析
dft — 単独の DFT 計算
典型エラー別レシピ — 症状起点の切り分け
トラブルシューティング — よくあるエラーと対処法
YAML リファレンス — 全 YAML 設定オプション
用語集 — MEP、TS、IRC、GSM、DMF の定義