典型エラー別レシピ

症状は分かるが、どのコマンドページから見ればよいか迷うときの入口です。 詳細は トラブルシューティング を並行して参照してください。

早見表

各行の「詳細」列は トラブルシューティング の該当セクションへ直接リンクします。

症状

最初にやること

詳細(セクション)

元素カラム欠落で抽出が止まる

元の PDB に add-elem-info を適用してください

入力 / 抽出の問題

「電荷が必須」系エラー

-q/--charge または -l/--ligand-charge を明示指定してください

電荷 / スピンの問題

計算は通るが状態/エネルギーが不自然

CLI 規約 の電荷解決順序を再確認してください

入力 / 抽出の問題

DMF モードの import エラー(cyipopt

conda install -c conda-forge cyipopt を実行してください

インストール / 環境の問題

TSOPT が収束しない

LBFGS/Dimer: max_step縮小。RFO/RS-I-RFO: trust_radius/trust_min/trust_max縮小。サイクル上限を増やし、TS 品質を確認

計算 / 収束の問題

IRC が正常に終了しない

--step-size を縮小、--max-cycles を増加、虚振動数が 1 本のみか確認

計算 / 収束の問題

opt/TSOPT が max_cycles で停止し、max(force) が閾値をわずかに超える

通常は opt.energy_plateau フォールバック(v0.3.5 新機能)が自動で処理します。手動回避は --thresh gau または --thresh gau_loose

計算 / 収束の問題

MEP 探索(GSM/DMF)が失敗

--max-nodes をデフォルト 20 から増やす、--preopt 有効化(注: --preopt のデフォルトは all では True、単体の path-search/path-opt/scan* では False)、別の --mep-mode を試す

計算 / 収束の問題

CUDA/GPU 実行時エラー

torch.cuda.is_available() と CUDA バージョンの整合を確認してください

インストール / 環境の問題

図の出力失敗

plotly_get_chrome -y で Chrome ランタイムを導入してください

インストール / 環境の問題

レシピ 1: MEP 前に抽出で止まる

  • 兆候:

  • 元素情報不足、原子数不一致、活性部位モデル(バインディングポケット)抽出結果が空に近い。

  • 最初の確認:

  • 入力構造が同じ前処理フローで作られ、原子順が揃っているか。

  • extract / all 前に元素カラムが埋まっているか。

  • 典型的な修正手順:

  • pdb2reaction add-elem-info -i input.pdb -o input_fixed.pdb で元素列を修復 -> 抽出再実行 -> 活性部位モデルサイズ(--radius)/残基選択(--selected-resn)を再確認。残基 ID 仕様の詳細は CLI 規約の --selected-resn は残基 ID を取る(残基名ではない) を参照。

レシピ 2: 電荷/スピンの解決で止まる

  • 兆候:

  • 特に非 .gjf 入力で総電荷未解決エラーが出る。

  • 最初の確認:

  • 対象状態に対して総電荷・多重度が妥当か。

  • --ligand-charge の残基キーが入力構造と一致しているか。

  • 結果が物理的に不自然な場合は CLI 規約 の電荷解決順序を再確認。

  • 典型的な修正手順:

  • 重要な実行では -q/--charge または -l/--ligand-charge-m を明示し、scan/path/tsopt を再試行。

レシピ 3: 環境依存で止まる

  • 兆候:

  • DMF import 失敗、CUDA 不整合、図出力バックエンド不在。

  • 最初の確認:

  • 実行環境にオプション依存パッケージ(cyipopt 等)が入っているか。

  • GPU 可視性と PyTorch CUDA 互換性に問題がないか。

  • 典型的な修正手順:

  • 先に環境を修復し、pdb2reaction --versionpython -c "import torch; print(torch.cuda.is_available())" で確認後、--dry-run で事前チェックしてから本実行。

レシピ 4: 収束・後処理で止まる

  • 兆候:

  • TSOPT が停滞、IRC が不安定、MEP 精密化が途中停止。

  • 最初の確認:

  • TS 候補が虚振動数 1 本(|ν| >= 100 cm⁻¹)のみを持ち、対応する虚振動モードが反応座標方向の変位を示すか。5 cm⁻¹ 検出閾値と 100 cm⁻¹ 品質ゲートの違いは用語集 虚振動数の閾値: 5 cm⁻¹ と 100 cm⁻¹ を参照。

  • ステップサイズ / 信頼半径(YAML キー max_step, trust_radius/trust_min/trust_max)と、最適化モード / フラット化(CLI フラグ --opt-mode, --flatten)は補完的に併用してください。YAML セクション構成は YAML リファレンス、正規の修正手順は 計算 / 収束の問題 を参照。

  • max_cycles 到達時に力のノルムが閾値をわずかに超えているだけでエネルギーがフラット化している場合は 計算 / 収束の問題 を参照 — opt.energy_plateau フォールバック(v0.3.5 新機能)が自動処理します。

  • 典型的な修正手順:

  • 小規模ケースで条件を詰め、安定化後に本番条件へ戻す。