fix-altloc¶
PDB ファイルから代替位置(altLoc)指示子を削除し、各原子について占有率に基づいて最良のコンフォーマーを選択して重複を除去します。altLoc 文字を含む構造を後段の ML/MM 準備に進む前にクリーンアップするときに使用します(通常は add-elem-info で元素カラムを修復した後)。altLoc 列(列 17、1-based)はスペース 1 文字に置換され(1 文字の置換のみで、フォーマットのシフトや再構成は行いません)、同じ原子が複数の altLoc 状態で出現する場合は占有率が最も高いコピーを保持します(同点の場合、または占有率が欠損している場合はファイル内で最初に出現したもの)。ATOM / HETATM レコードは altLoc の選択とブランク化の対象となり、ANISOU レコードは、対応する ATOM/HETATM 行(同じシリアル番号)が残った場合にのみ出力されます。
実行例¶
コマンド形式:
mlmm fix-altloc -i INPUT [-o OUTPUT] [options]
単一ファイルの altLoc を解決する(<input>_clean.pdb を出力):
mlmm fix-altloc -i 1abc.pdb
出力名を明示して単一ファイルの altLoc を解決する:
mlmm fix-altloc -i 1abc.pdb -o 1abc_fixed.pdb
ディレクトリを再帰的に処理して新しい出力ディレクトリへ書き出す:
mlmm fix-altloc -i ./structures -o ./cleaned --recursive
ディレクトリを再帰的に処理してファイルをその場で上書きする:
mlmm fix-altloc -i ./structures --inplace --recursive
altLoc が検出されなくても強制的に処理するには --force を使用します。
mlmm fix-altloc -i 1abc.pdb -o 1abc_fixed.pdb --force
処理の流れ¶
入力ファイルに非空白の altLoc 文字(列 17)が含まれているかチェック。
altLoc が見つからず
--forceが設定されていない場合、ファイルをスキップ。
各 ATOM/HETATM レコードについて、altLoc フィールドを無視した識別キーを構築:
レコード名、原子名、残基名、チェーン ID、残基番号、挿入コード、segID
同じ識別キーを持つ原子の中から、以下の基準で選択:
最高の占有率(列 55-60)
同点の場合、ファイル内で最初に出現したもの
出力を書き込み:
選択された原子のみを保持
altLoc カラム(17)を空白(スペース 1 文字)に置換
ANISOU レコードは保持された原子に一致するもののみフィルタリング
altLoc 状態間で原子数が異なる場合の処理¶
異なる altLoc 状態で異なる原子が含まれている場合(例:altLoc A には N, CA, CB, CG、
altLoc B には N, CA, CB, CD がある場合)、fix-altloc は以下のように処理します:
重複原子(複数の altLoc で同じ残基+原子名、例:N, CA, CB): 占有率に基づいて最良のものを選択(最高値を優先、同点の場合はファイル内で最初のもの)
ユニーク原子(1 つの altLoc にのみ存在、例:A の CG、B の CD): すべてのユニーク原子が出力に保持されます
これにより、出力構造にはすべての altLoc 状態の原子が含まれ、 本当に重複している原子だけが一つに統合されます。
例:
入力:
ATOM 1 N AALA A 1... 0.50 # altLoc A
ATOM 2 CA AALA A 1... 0.50 # altLoc A
ATOM 3 CG AALA A 1... 0.50 # altLoc A のみ
ATOM 4 N BALA A 1... 0.40 # altLoc B
ATOM 5 CA BALA A 1... 0.40 # altLoc B
ATOM 6 CD BALA A 1... 0.40 # altLoc B のみ
出力:
ATOM 1 N ALA A 1... 0.50 # A から(占有率が高い)
ATOM 2 CA ALA A 1... 0.50 # A から(占有率が高い)
ATOM 3 CG ALA A 1... 0.50 # 保持(A のみ)
ATOM 6 CD ALA A 1... 0.40 # 保持(B のみ)
出力¶
代替位置が削除された PDB ファイル:
入力がファイル: デフォルトは
<input>_clean.pdb(-o/--outが省略された場合)入力がディレクトリ: デフォルトは
<input>_clean/(サブパスを保持)-o/--out指定時:OUTPUT.pdb--inplace設定時: 元のファイルを上書き(バックアップは<input>.pdb.bakとして保存)
元のファイルは変更されません(--inplace が設定されていない限り)。
Python API¶
プログラムから利用する場合、モジュールは以下をエクスポートします:
from pathlib import Path
from mlmm.io.pdb_fix import has_altloc, clean_pdb_file
# ファイルに altLoc があるかチェック
if has_altloc(Path("input.pdb")):
# altLoc を解決した PDB を書き出す (出力は常に上書き)
clean_pdb_file(Path("input.pdb"), Path("output.pdb"))
CLI オプション¶
オプション |
説明 |
デフォルト |
|---|---|---|
|
入力 PDB ファイルまたはディレクトリ |
必須 |
|
出力ファイル(入力がファイルの場合)またはディレクトリ(入力がディレクトリの場合) |
入力がファイル: |
|
入力がディレクトリの場合、 |
|
|
入力ファイルをその場で上書き( |
|
|
既存の出力ファイルの上書きを許可 |
|
|
altLoc が検出されなくてもファイルを処理 |
|
全フラグの一覧は生成されたコマンドリファレンスを参照してください。
注記¶
altLoc 文字を含まないファイルは
--forceを設定しない限りスキップされます。
関連項目¶
典型エラー別レシピ – 症状起点の切り分け
トラブルシューティング – 詳細な対処ガイド
add-elem-info – altLoc 修正前に PDB 元素カラムを修復
extract – altLoc 解決後に活性部位ポケットを抽出
all – ML/MM 一気通貫ワークフロー(入力に altLoc がある場合は事前に
fix-altlocを実行)