oniom-import(ONIOM 入力から XYZ と層付き PDB へ)¶
oniom-import サブコマンドは、Gaussian ONIOM または ORCA QM/MM の入力ファイルから、XYZ ファイルと層付き PDB を作り直します。
主な用途¶
mlmm の外で直した入力: 自分で作った、または直した Gaussian・ORCA の QM/MM 入力を mlmm に戻す
名前つきの往復:
oniom-exportで書き出した入力を、--ref-pdbで元の PDB の原子名・残基名つきで戻す
基本的な実行例¶
1. ORCA の入力¶
ORCA QM/MM の入力から構造を作り直します。
mlmm oniom-import -i ts_guess.inp -o ts_guess_imported
端末に原子数と層ごとの件数が出て、続いて ts_guess_imported.xyz と ts_guess_imported_layered.pdb の 2 行の [oniom-import] wrote: が出ます。
2. Gaussian の入力(拡張子からモードを決める)¶
拡張子が .gjf と .com なら Gaussian モード、.inp なら ORCA モードです。
mlmm oniom-import -i model.gjf -o model_imported
3. モードを明示する¶
--mode は拡張子より優先され、ファイル名が .gjf・.com・.inp のどれでもないときに必要です。
mlmm oniom-import -i model.txt --mode orca -o model_imported
4. 参照 PDB の名前を残す¶
oniom-export に渡した PDB の原子名・残基名を、読み込んだ座標に書き写します。
mlmm oniom-import -i model.inp --ref-pdb complex_layered.pdb -o model_imported
ログの [oniom-import] ref_order=identity-verified は、原子の並びが oniom-export の書いたマーカーと一致したことを示します。
処理の仕組みと計算仕様¶
モード:
--mode、無ければ-iの拡張子で決めます。座標と層: Gaussian モードでは、座標の各行を
<atom> <0|-1> x y z H|Lとして読みます。Hの原子は QM、Lで0の原子は可動 MM、Lで-1の原子は固定 MM です。ORCA モードでは、%qmmmブロックのQMAtomsとActiveAtoms、* xyzブロックの座標を読みます。QM 原子は常に可動として数えます。QM の電荷と多重度: Gaussian では、6 つの整数が並ぶ電荷と多重度の行の 3 番目と 4 番目(高レベルの QM 領域)、ORCA では
* xyz <charge> <multiplicity>の行から読みます。どちらも XYZ のコメント行にq=<charge> m=<multiplicity>として書きます。XYZ: 入力のすべての原子を
<out_prefix>.xyzに書きます。層付き PDB: B-factor を 0・10・20 にして
<out_prefix>_layered.pdbを書きます。--ref-pdbが無いときは、各原子に元素名をつけ、chain A の残基MOL1 にまとめます。--ref-pdbがあるときは参照 PDB の行を残し、座標と B-factor だけを書き換えます。その前に原子の並びを確かめます。元素が 1 原子ずつ一致することに加えて、oniom-exportのマーカーがある入力はハッシュの一致(identity-verified)、マーカーの無い入力はどの元素も 1 回しか現れないこと(element-verified)が条件で、どちらでもなければ--allow-unverified-ref-orderが必要です(unverified-opt-in)。
主な出力ファイル¶
<out_prefix>.xyz: すべての原子の座標。コメント行はmode=<mode> atoms=N qm=… movable=… q=<charge> m=<multiplicity>です。<out_prefix>_layered.pdb: 同じ座標に、層を B-factor で持たせた PDB です。ログ:
[oniom-import] mode=…、件数のatoms=N, qm=…, movable=…, frozen=…、2 行のwrote:が出ます。--ref-pdb指定時はref_order=identity-verified/element-verified/unverified-opt-inのどれかも出ます。
主な CLI オプション¶
オプション |
引数の型 |
デフォルト |
説明 |
|---|---|---|---|
|
パス |
(必須) |
ONIOM の入力。 |
|
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|
入力の形式 |
|
パス |
カレントディレクトリに入力の stem |
出力ファイルの接頭辞 |
|
パス |
|
原子名・残基名を出力に書き写す PDB。同じ原子を同じ順に並べたもの |
|
フラグ |
|
マーカーでも元素の一意性でも並びを確かめられないときに、 |
全オプションは 自動生成のオプションの一覧(英語のみ) を参照してください。
使用上の注意点¶
読むのは入力ファイル:
oniom-importが読むのは入力ファイルで、Gaussian・ORCA の出力から最適化構造を取り出す機能ではありません。mlmm で計算を続けるには、外部プログラムで得た final geometry をトポロジーと同じ原子順で書き出し、元の parm7 と ML 領域と組み合わせて使ってください。読める書式: Gaussian の入力は、
oniom-exportが書く形の、可動フラグの列を持つ 2 層 ONIOM の座標行が必要です。ORCA の入力は、%qmmmの中にそれぞれ 1 行で書いたQMAtoms {…} endとActiveAtoms {…} end、および* xyz <charge> <multiplicity>ブロックが必要です。ほかの書式はエラーで止まります。マーカーの照合:
oniom-exportが書いたマーカーは厳しく照合します。壊れたマーカー、重複したマーカー、参照 PDB と一致しないハッシュは、--allow-unverified-ref-orderを付けても止まります。--allow-unverified-ref-order: マーカーが無く、同じ元素が複数あって並びを確かめられない入力で、並びを自分で確かめたときだけ使ってください。--ref-pdbと一緒に指定する必要があります。終了コード: 終了コードを参照してください。
関連ドキュメント¶
oniom-export — Gaussian ONIOM・ORCA QM/MM の入力の書き出し
define-layer — 層の B-factor
トラブルシューティング — 実行に失敗したときの対処